分類学上は

 

 

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初めに言うと、これは日記だ。

普段は割と無い頭に詰め込むように調べて書いてはいるつもりだが個人の体験だけで今日くらいはぶちまけてみる。

 

新しいカギって名前の番組。チャンネルを徒に旅していたら再放送かなんかわからないがやっていた。

新進気鋭のお笑い芸人が活躍する少し懐かしく馴染みある感じのコント番組だった。

そこでやっていたネタなのだが、

 

「動物園の可愛いウサギ(実際は芸人がコスプレしていてキモい感じの)が女性客に可愛がられていたが、飼育員が分類学上はネズミと言ってから女性客の態度が急変してキモがられる」

 

みたいな感じ。伝わりづらくて申し訳ない。

はっきり言うと、面白かった。

「世にも奇妙な」感があるネタだし、何より私の中で考えていたものにしっくり来た。

 

「何か生物の個性を測る上で分類学上というレッテルが評価を大きく左右している。」

 

この考えが私の中にもうっすらあったが、うまく言葉としてまとめられていなかったのだ。

 

分類学上は〇〇。いい響きだ。

番組の例で言えばネズミ。日本に住む多くの方が抱いているネズミ観は「汚い」という意見で大半の同意を獲得出来るであろう。「ドブネズミ」が歌い出しのヒット曲があるくらいだ。件の歌は「美しくなりたい」と続くがやはり「ドブ」に清潔感を感じるような人は甲本ヒロトか自分を甲本ヒロトだと思いこんでいる特殊な方でない限り稀有だと思う。

「汚いウサギ」、という響きには違和感を生じるが(ウサギも自身のフンを食したりするので知っている方は汚く感じるかもだが)「汚いネズミ」、という響きにはやはり安定感がある。つまり、「分類学上はネズミ」=「汚い」はどうしても成り立つ。

夢の国の看板ネズミが許されているのはネズミがペットとして人気を博すアメリカ発祥であるからこそだし、それこそミッキーマウスにおける「ネズミ」のタグはおそらく通常の「ネズミ」のタグと違う。

もちろん東京にある施設もオープンしてから長い年月が経ち馴染みがあるという点も否めないが、おそらく我々にとってミッキーは「ネズミ」ではなく、「ねずみ」なんだと私は思う。

ひらがなとカタカナを変えただけなのだが、このひらがな表記の「ねずみ」というとこちらも有名な「ピカチュウ」がそれに相当する。「ピカチュウ」の設定もといポケモン図鑑には「ねずみ」ポケモンと書いてある。書いてみたがポケモン図鑑は多分関係ない。オタクの戯言が出た。

脱線が続く。

今考えてみれば「ネズミ」と「ねずみ」は私の中で全く違う。

前者は自然に生きる動物的なレッテル、に対して後者は二次元世界のキャラクターというレッテルと棲み分けされている。なんなら和名でもカタカナが採用されているわけで。

名称が同じでもひらがなカタカナでこんなに変わるのも日本ならではなのだろうか。海外にも子犬をpuppy、子猫をkittyと言ったりするし実はどこにでもそういった違いはあるのかも。

 

脱線してオチの付け所がなくなりそうなので話を戻す。

生きている人々それぞれに、生きていたなりの視点や思考から生じるレッテルは様々だとは思う。それでも犬や猫は「人間の生活に馴染み深く愛玩される生物」の代表であるという考えは大半の方の同意を得ることができるように思う。

大概、「可愛い」という概念に人は盲目的であり、そこに複雑な思考プロセスなど無く、本能のまま反射的に感じ得る。

逆に「気持ち悪い」という概念も然りだ。

でも仮に目の前の愛らしい猫が「分類学上ゴキブリ」だったとしたらみんなはドン引きするのだろうか。

そこまで離れていたらただゴキブリが愛玩される世界線なだけかもしれない。

逆にゴキブリが「分類学上ネコ」でも同じように、ネコがドン引きされる世界線になるだけかも。

野良猫と野良ゴキブリならおそらく物理的な汚さは大差ないのだろうがここまでの点差がついたのは人間の歴史の深さを感じるとともにゴキブリに憐憫の情が湧く。

「ウサギ」と「ネズミ」。この近いようで遠いような距離感の妙こそあのコントの素晴らしい所なのかもしれない。

でもいつかはゴキブリみたいなのにも報われて欲しいものだ。ブルーハーツもゴキブリについて歌っていた記憶はないから書いてやって欲しい。

そうして私は今日、バルサンとゴキジェットプロを買ったのだった。

 

今日の最高気温は20度を越えるらしい。

今年も春が来る。

 

 

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