ブーバ/キキ効果は他のオブジェクトでも有効なのか?

 

片品です。
突然ですがこちらをご覧ください。

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(下手くそだな…)って思ったそこのあなた。
そう、あなたです。
絶対に生きて帰れると思わないことです。

ではなく、質問です。
(ご存じの方は読み飛ばしていただいて構いません。)
どちらが「ブーバ」で、どちらが「キキ」でしょうか?

 

おそらくですが、左を「ブーバ」、右を「キキ」と思われたかと思います。
これがメンタリズムです。
はい、冗談です。
これは心理学で実際に研究されているもので、「ブーバ/キキ効果」といいます。
これは冗談じゃないです。こんな意味不明な命名カービィの敵キャラくらいだと私も思いますけど、冗談じゃないのです。

およそ98%の人がギザギザの図形を「キキ」と名づけ、曲線の図形を「ブーバ」と名づけるそうです。これは母語にも関係せず一致するらしいです。すごく不思議ですけど、私も同じように思ってしまいました。


そういった傾向の統計を紹介したところで、今回の本筋について話します。
たしかにブーバ/キキ効果はこういった図形で顕著に傾向が現れることがわかります。
しかし、これはあくまで単純な図形での話。これを道具であったり動物であったりと他の複雑な物体に置き換えても傾向が出るのではないかと思いました。

というわけでありとあらゆるオブジェクトでブーバ/キキ効果が現れるかどうかを調べてみました。

 

実験方法_______________

1.概念としての共通点があり、かつ対照的な要素を包含するオブジェクトの画像をペアで複数用意する。
正直この時点で裁量とバイアスがかかるから実験として破綻している気がする。
気にしないで、此処は所詮「片品 雫」よ。

2.自身の仮説として、自分はどちらかブーバでどちらがキキに感じるかをあらかじめ確認する。
こちらも悩み過ぎないよう、なるべく直感ですぐ判断する。

3.統計を取るため、複数人にどちらがブーバ/キキかを質問する。今回、私は友達が少ないのでとにかく連絡がつく人を片っ端からあたる。必死に懇願する。何なら靴を舐めてでも聞く。
え、泣きそう。
集計結果は以下のように表示する。

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4.研究結果をもとに、元来の「ブーバ/キキ効果」との共通点を調査する。

_______________________


こんな感じでしょうか。
それではやっていきましょう。
全5問になります。
また、事前にこれを統計するにしても私の人望の無さ故資料が確実に不足します。
ですので結果を見ても深く考えることなく軽い気持ちで読んでいただければと。
よろしくお願い致します。

そして皆さんも是非画像を見て直感的に名づけていただけたら幸いです。
全5問用意しています。
それではどうぞ。

 

 

 

第一問
左と右どちらがブーバ/キキ?

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一問目はシンプルな例題として出させていただきました。大体共通項は広く見積もってこれくらいにしてあります。
さて皆さんはどちらがブーバ/キキだと思いますか?

 

 

 

 

 

 


片品の回答
左(りんご)がブーバ、右(みかん)がキキ。
果物といえばこの2つが真っ先に浮かぶ。
なんとなくブーバは赤色っぽくて、キキは黄色っぽいなと思った。本来の曲線とギザギザの対比から考えてはいないが、皆の連想が被っていたら嬉しい。
下は集計結果です。
ちなみに集計は11人に取れました。
2桁にいっただけ行幸です、私は。

 


集計結果
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考察
りんごがブーバ、みかんをキキとする人が圧倒的であった。
やはり「キキ」という響きに黄色を連想し、みかんがキキであると回答したと思われる。実際に選んだ理由としてそう答えた方が多かった。
また、りんごがブーバと答えた方の中でポケモンの「ブーバー」を連想し、赤いリンゴを選んだ人がいた。考えても見なかったが、言われてみれば確かにと言った感じだ。

 

 

第二問
左と右、どちらがブーバ/キキ?

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片品の回答
左(勇者)がキキ、右(魔王)がブーバ。
RPG異世界でお馴染みのキャラクター。
勇者には濁点がなさそうで魔王には濁点がありそう。
正直完全にドラクエ3が概念としてへばりついているのかも。

 


集計結果
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考察
りんごとみかんに比べてはっきりと別れた。
私の予想通り、全員が濁点に魔王感を見出しているように思われる。
勇者がキキの理由については消去法気味になっていると思われる。

 

第三問
上と下、どちらがブーバ/キキ?

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片品の回答
上(リスザル)がキキで下(マーモセット)がブーバ。
どちらもオマキザル科の動物。
多分だけど「キキ」の発音が猿の声に近く感じるからか、より猿らしいリスザルに焦点が行く。でも丸っこさもあるからブーバ感も否めない。これは結構差が出そう。

 


集計結果
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考察
リスザルブーバ派が誰1人いなかったことは驚きだった。
回答理由に関してもあまり明確なものを得ることができず、本来のブーバ/キキ的な問題だと感じた。
モヤモヤは残るがこれはかなり人間の直感的なプロセスが関わっている感じがしてなかなか面白い。

 

 

第四問
上と下、どちらがブーバ/キキ?

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片品の回答
上(マグカップのココア)がキキで下(コップの牛乳)がブーバ。
取っ手がついているか否かくらいしか違いがない。尚且つ初心に帰った「単純な図形」である。
こればっかりは正直悩んでしまったが、感覚的にはこうだった。強いて理由があるならばコップの方が丸みがあったから、だろうか。うーむ、これもぶれそうだ。

 


集計結果
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考察
私の回答と逆で、マグカップブーバ派が多数を占めた。
回答理由例で、「ブーバにはあたたかそうなイメージがある」と言っていた方がいた。たしかにコップの牛乳に比べて、マグカップのココアは明らかに暖かく思える。
これには思わず膝を打った。私の推測ではあるが、濁点の有無には温度の高低差も含まれている可能性がある。
しかし、キキ派も少なかれいたので、これは直感的に選ぶのが難しすぎるのかもしれない。

 


第五問
上と下、どちらがブーバ/キキ?
※写真2枚で比較して下さい。

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片品の回答
上の老夫婦がキキ、下の老夫婦がブーバ。
最後はかなり難解に、二人組を一つで捉えた場合の回答がどうだろうか気になった。
正直ほとんど確証が持てないし、多分これはうまくいかない。
個人的にはキキのがアウトドアっぽい響きだなって少し感じるくらい。

 


集計結果
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考察
正直考察のしようがないが、やはり画像の対比要素が少なければ少ないほどブーバ/キキでの名づけに苦戦するのは間違いないようだ。
「ぶっちゃけどっちもブーバでもなければキキでもない」と言っていた方がいた。本当にその通りです。
なかなか難しいものだ。

 

 

 

 

 

まとめ
いかがだったでしょうか。
実験としてはたった5問ですし、集計も多くは集められませんでした…。しかし、最初の3問からはなかなかに考え用のある結果が得られた気がします。
一応自分なりの全体考察として

•「ブーバ/キキ」の命名方法は、形だけにとどまらずさまざまな要素の対照にも用いることができる
•しかし、対照するものが曖昧であったり、複雑化しすぎると効力を失う

と言った感じでしょうか。
もちろん研究としては数値が少ないので、機会があればもっと集めてまたこちらに公表できたらと思います。


この実験自体は画像が2枚あればできるので、皆さんも是非試してみてほしいです。
複数人でやるとさらに面白くできます。
実際家族に出した時、画像2枚にみんながひたすら議論を交わしていました。
準備にも出題にも時間を取らないのでみんなでワイワイ盛り上がりながら、人間の脳の不思議さを体験してみてほしいです。

 

それでは、片品雫でした。

 

 

 

 

 

 

 


おまけ問題
左と右、どちらがブーバ/キキ?

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片品の予想
左がキキで右がブーバ。
左はキキがギザギザを連想させる点から鋭い爪や鱗等がついた左はキキでまず間違いない。
右はブーバの曲線の要素が丸みを帯びたリボンやワンピなどによく現れている。こちらもおそらく間違いない。

 

 

集計結果
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一体どういうことだろうか。皆目見当もつかない。
これはブーバ/キキ効果の重大な反証結果と言えるのではないだろうか。
学会は今、混迷の時を迎えようとしている。
研究者諸君、目を逸らすな。
これが、現実だ。
では、失礼させてもらう。

 

 

傷心のキキ

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