クッキングパパのまことが好きになった日

 

 

 

クッキングパパのCook.77にて、パパとまことがレンガのカマドを作る回がありまして。正確に言うとその後パパの部下など準レギュキャラ大集合でバーベキューをやる回なんです。メガネさんのおかげでクロダイのことを関西圏でチヌと呼ぶことを知りました。「チヌの入れ食いでね」なんてセリフ小学生だった私に読解できるわけない。
さてまあタイトルの回収をば。
あらすじですが、明日から連休なのに荒岩家は予定なしでずっと家。まことが残念だねーなんてぼやいているが、パパの表情はいつも通り強い笑顔。そしてまことと共にカマド作りに挑戦します。まこと、「わぁっ」と嬉しそうです。なんてできた息子とパパなんだ。そして作り方をナレーションしつつ順調に作業を進める2人。これがめちゃめちゃ楽しそうな顔をしている。私だったらレンガ2個積み上げた段階で飽きて寝る。さすまこ(流石まことの略)。すると塾がおやすみのまことの大親友、みつぐくん来訪。みつぐくんいいよなぁ。まこみつの組み合わせマジで最強の親友なんですよ。最新でも仲良しなので本当にこんな友達欲しかった、いかん脱線。カマド作りはそんなみつぐくんのひらめきなど協力もあり、順調に進んでいきます。しかし、ここでトラブル発生、雨が降ってきちゃうんです。急げ急げと慌てる3人。
そうしてシーンが切り替わり数日後…
「じあ〜ん」というちょっと抜けた字体のオノマトペと共にカマドお披露目、そう、無事完成するんですが、急いで作ったせいでセメントで少し汚れたままになってしまっての完成になりました。これにはパパも「はは…」と情けなく笑ってしまいます。
ここです。ここで史上最強の息子、荒岩まこと、通称さすまこの名台詞が放たれます。


「うん そこがかっこいいよ なんだか」


これ、気を遣ってる顔で言ってないんです。この小学生、「味」を理解してるんです。
これ、パパめちゃめちゃ嬉しかったろうなぁ。実際、次のコマ(正確には作り方紹介の後)では強い笑顔に戻りバーベキューの準備を始めています。
当たり前ですが、他人から気を遣われてしまうのって、なんだか申し訳ないじゃないですか。みんなして暗くなるというか。
けれどそれが気遣いじゃなくて、本心から出た言葉だって分かると、本当に救われるというか。おそらく顔を合わせて話すことでしか生まれないそのエモーショナルなものってただでさえ少し照れが生まれて伝わりづらいのに、こういった文章や顔を合わせない通話だと余計伝わりませんよね。
そんな中、まことがパパを気遣うでもなく、子供にして無骨さの「味」をしっかり理解して、自分の好きを無垢にパパへと共有するその姿勢。
さすまこすぎる。これにつきますよ、ホント。荒岩家の感動秘話的なストーリーも好きですが、何げない休日のDIYというよくある家族の光景にこそクッキングパパは感動できると思うんです。
このまことのシーンもその一つでそれ以外でもクッキングパパの神回要素てんこもりで凝縮されているのがこの回です。大好きすぎ。
そして話はみんなでワイワイバーベキューへ…、皆さんにも読んでいただくべく話はここまでにしておきます。
クッキングパパは料理漫画としての完成度の高さはもちろん、暖かい平和な回や他にも結構ぶっ飛んだ回(パパが地元のバンドマン「デーモン岩」に扮してテレビに出たり、パパが作ったかぼちゃ料理を食べた男が人の頭がかぼちゃに見えるようになる回とか)もあって、そういった方向でも笑いを誘う素晴らしい日常漫画の金字塔なんです。
だから皆さんもクッキングパパ是非読んでね。
片品でした。