Reaction Mashup
最近、リアクション・マッシュアップ動画と一緒にアニメを観ることが私の中のマイブーム（死語）になっている。
リアクション・マッシュアップ（Reaction Mashup、以下RM）動画。
字義の通り、複数人のリアクション動画をひとまとめにした動画作品のことです。
ほとんどのRM動画には対象作品の経過時間や動画そのものが表示されているので、最小化したりピクチャーインピクチャー状態にしたアニメ本編をその横で同時に流すことで、疑似的ではあるもののリアクションをしている複数人の投稿者と一緒に作品を楽しむことができるようになっています。上の画像では、RM動画の「00:15:55」というタイムコードの右側に、別ウインドウで該当アニメの15分55秒の映像を流しています。
この視聴方法の長所は、前述のとおり「擬似的に複数の知らない人と一緒に作品を観ることができる」というところにあります。
本来、特にアニメ作品は、家族や友人などの複数人で観ることは少なく、多くの場合は個々人で観ることが多いものだと思います。その理由は様々だろうけど、作品内容や放送時間、配信メディアなど多くの要因が絡み合って現在の状態が維持されてきたことが伺えるわけです。深夜アニメを家族とみて興奮するのって、事実はずかしいし。
その一方、「実況」という分野において、アニメ作品はよく話題にのぼります。匿名掲示板等でもアニメが放送される時間になればスレッドが立つし、TwitterなどでもホームTLが意図せず実況TLと化すことがある。こうしてみると、本来アニメもスポーツやドラマと同様、「多くの人と一緒に観る」ということが可能なメディアであることが分かります。「多くの人と一緒にリアルタイム的な感動を共有したいんだけどどうしよう……」とか、「リアタイできなかったけどリアタイ時の熱意をほかの人と共有したい……」というモヤモヤの、そのひとつのソリューションが、RM動画なんじゃないかと思うのです。
「リアタイできなかったからといって、そんなことをしなくても過去ログや少し前のTL、実況用ハッシュタグを拝すことで疑似的に実況感覚に浸ることはできるんじゃないの？」と思う人もいるかもしれません。まあ確かに、実際やってみるとそこそこ楽しくはあるんです。でも、やっぱりそこに「人間の動き*1」が感じられなければ、楽しむことは難しいな、と感じました。あと、掲示板レスやツイートはどうしても遅延が起きてしまうから、「この人5分前の出来事を今ツイートしてる……」と思って冷めてしまったりね。
一方のRM動画には共通の時間軸があって、そこで時空を超えて一緒に観ることができる。これは、Twitterや掲示板にはない大きな強みです。
少し前（かなり前ですが）、ニコニコ動画のなんかえらい人の「ニコニコはひとつの動画にコメントすることで時空を超えてその感情を共有できる」とかなんとかおっしゃってたツイートが話題になっていたようないなかったような気がしますが*2、このRM動画も似たようなものだなぁと思うのです。
あと、RM動画を観ながらアニメを観ると、アニメを観ることに対する罪悪感が減ってくる気がします。アニメに罪悪感っている？ㅤと言う人もいるだろうし、実際自分も罪悪感なんかいらないな～と思うんだけど、他の人が人生を進めている中ひとりでアニメ観てると後ろめたくならない？ そういう気持ちになる一方で現実逃避にはアニメしかねーよ！ っていう風にもなるし……そんな気持ちにがんじがらめになって袖を濡らすこともあるわけです。
そんな時にマッシュアップ動画と一緒にアニメを観ると、「ああ、アニメを観て時間を浪費してる人間は私だけじゃないんだなあ」と思えるし、また他言語圏の人の動画を観ると「ああ、アニメを観て時間を浪費してる人間は世界中にいるんだな」と、ある種の巻き添えや道連れの対象者を見つけられたような気がして、少し心が軽くなる……そんな気持ちでいます。そういう意味でも非日本語話者のRM動画がおすすめかな、リアクションも自然だしね……
みんなもリアクション・マッシュアップ動画を観て、時間を浪費する自分をゆるしてあげよう！
